斜視・複視


斜視・複視とは
物を見る時、正常な場合は右の目玉と左の目玉が同じものを見ようとして一点に焦点を合わせるために同期して動くものです。
しかし、眼球を動かす一部の筋肉が麻痺等を起してしまうと、焦点を合わせようとしても、同期せず、右と左でバラバラな動きを起こしてしまい、物が二重に見えてしまいます。寄り目をしたことがある人はご存知かと思いますが、寄り目をすると目に入るものは二重に見えてしまうものです。

例えば、麻痺した方の外側の下を見た時にだけ二重に見えてしまいます。
症状がひどいと、まっすぐ向いていても焦点が合わない、他人が麻痺をおこした患者さんを見た時に、麻痺した方の目だけ寄っているように見えます(斜視)。
斜視は子供では約20%にみられ、小児眼科の代表的な病気です。
斜視は人口の約3%にみられるとする統計もあり、決して珍しい病気ではありません。斜視の患者さんの多くは、幼少期に症状が現れ、家族の方に連れられ眼科医のもとを訪れます。しかし、なかには家族の方が目の異常に気がつかなかったり、あまり大したことはないと考えたりして、眼科医にかからないままになってしまう患者さんもおられます。さらに、眼科医にかかっても眼鏡をかけて調子が良くなったり、斜視の手術をするとそれだけで治ってしまったと考え、治療や定期検診を中断される患者さんも多いようです。
大人の斜視にはこのような患者さんが多く含まれます。また、近視の強い人では目が寄ったり、目を動かす神経や筋肉の異常のために目の位置がずれる患者さんもおられます。
斜視は、視線が内側にずれる内斜視、外側にずれる外斜視、上または下にずれる上下斜視などがあります。斜視があると、物を立体的にとらえたり、遠近感を感じたりする両眼視機能が使えません。
目は近いものを見る時、ピント合わせをします。この動きを調節といいますが、調節に伴って両目の眼球は内側に寄ってきます。例えば、遠視の場合は近くを見る時、調節の力がふつうより強く働くので目が内側に寄って内斜視になるのです。これを調節性内斜視といいます。
斜視の種類

複視は、片目で見たときに存在するでしょうか?もしくは、両目で見たときに存在するでしょうか?
右手で、右目を隠してみてください、複視は存在するでしょうか? もし、そのとき複視を自覚すれば、左目の異常です。その逆に、左目を隠したときに自覚する複視は、右目の異常です。この片目で見える複視を片眼性複視といいます。原因としては、単眼ごとの疾患や屈折の異常(乱視など)が考えられます。
※斜位とは両眼視をしている時には異常は見られないが、両目を使わない時に斜視の症状が現れる状態を指します(片眼性複視)。
片目で見たときには一つになり、両目で見たときのみに二つになる複視を、両眼性複視といいます。右目と左目で違うものを見ているとき、つまり斜視があるときに存在する複視が両眼性複視です。ここでは、両眼性複視についてご紹介します。
斜視の原因はいろいろあって眼球を動かす筋肉や神経の病気、手術後の後遺症、遠視、両眼視の異常、視力不良があげられます。
眼球を動かす筋肉や神経に病気があると、眼球が動かなくなって目の位置がずれ、斜視になります。
鍼灸治療の有効性
西洋医学では斜視に対して手術しかありません。しかし、東洋医学には有効な治療法として鍼灸があります。
鍼やお灸をすることで血流が改善され、麻痺、低下した組織を回復させることも可能なのです。鍼灸治療はこういった分野に長けています。症状が早い段階の患者さんほど早期の鍼灸治療で効果を期待できますので、お早めにご相談ください。